UNIX系のOSは世界で広く使われている。
UNIX、Linux、FreeBSD、Solarisなど、商用、非商用を問わず最も普及したOSのひとつであろう。
そしてこのOSは30年にわたって使用され続けているものでもある。
なぜこれほど長い間使われてきたのか? その秘密はUNIXに込められた数々の哲学や思想が握っている。
<p> そもそもUNIXはMulticsという巨大なOSの開発から生まれたものだ。
あまりに巨大なMulticsはその複雑さゆえに開発は遅々として進まず、その反省からケン・トンプソンが作ったのがUNIXの初めとされる。
その後デニス・リッチーら多数の開発者が携わり、UNIXは発展した。
本書はこのUNIXに込められた「思想と哲学」を抽出し、数々のエピソードとともにUNIXの特徴を浮き彫りにしていく。
<p> たとえば本書で述べられているUNIXの発想のひとつとして「過度の対話式インタフェースを避ける」というものがある。
UNIXのシステムは初心者には「不親切」なつくり、つまり親切な対話式のインタフェースはほとんどなく、ユーザーがコマンドを実行しようとするときはオプションをつける形をとっている。
この形式はオプションをいちいち覚えねばならず、初心者に決してやさしくない。
しかしこれはプログラムを小さく単純なものにし、他のプログラムとの結合性を高くする。
そして結果としてUNIXのスケーラビリティと移植性の高さを支えることになっているのだ。
このような形式で本書では9つの定理と10の小定理を掲げ、UNIXが何を重視し、何を犠牲にしてきたのかを明快に解説している。
<p> 最終章にはMS-DOSなどほかのOSの思想も紹介されている。
UNIXの思想が他のOSとどう違うかをはっきり知ることになるだろう。
UNIXの本質を理解するうえで、UNIX信者もUNIX初心者にとっても有用な1冊だ。
(斎藤牧人)
UNIXは『OS』ではない。
それは『考え方』である。
誕生から30年を経て今もなお第一線で使われる古くて新しいOS、UNIXの秘密を解き明かす。
「UNIXは『OS』ではない、それは『考え方』である」。
誕生から30年を経て今なお第一線で使われる、古くて新しいOS・UNIXとUNIXに含まれる大量のツールについて、その背後にある基本的な考え方を解き明かす。
芳尾/桂
1969年福岡県生まれ。
1992年熊本大学大学院工学研究科卒。
現在、日本テキサス・インスツルメンツ株式会社勤務。
生業はアナログIC回路の設計。
副業はDebianGNU/Linuxに関わる活動。
著書に『今日からDebianGNU/Linux』。
『今日からDebianGNU/Linux2.2』(オーム社)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
「すべてのプログラムをフィルターとして設計する」が一番刺さった
これ意識するだけで疎結合で単一責任にしやすい
Webアプリケーションフレームワーク導入時に考慮すべき22の観点
jq コマンドを使う日常のご紹介
『UNIXという考え方』 読書メモ
責任(関心)を意識したアプリケーション設計
技術系の名言まとめ++
良いプログラマとは、僕が今思っていることをまとめてみた
サブコマンドを持つコマンドを作るシェルスクリプトのスタイル
質問[読んでおいたほうがいい本]の69回答のまとめ
2016年の購入書籍を振り返る
インフラエンジニアの自分が買ってよかったと思う書籍10選
データとロジックを分割せよ
今でもほとんど古びていない、かなり昔に出版されたコンピュータ関連の技術系書籍紹介
『UNIXという考え方』を読んで,覚えておきたいと思った5つのこと
システムを作ったり、プロジェクトをやったり、会社を作ったりしながら、読んできた記憶に残る8冊の本
シェルスクリプトのオプション設計ガイドライン
読みやすいコードを書こう(1、基本方針)
2年くらい本気でプログラミングしてわかったこと
シェルショッカー様 POSIX原理主義 珠玉の金言集2016年度版
プログラミング(全般)の勉強に役立つ書籍まとめ(※面白い本のみ)