「ダークウェブ」というものをご存知だろうか? 2015年、アメリカで史上最悪のサイバー闇市場「シルクロード」の運営者に終身刑が言い渡された。
「シルクロード」は「闇のアマゾン」とも言われ、違法薬物などを扱い、大金を荒稼ぎしていた。
また同年、シカゴの二児の父が、世界最大の不倫出会いサイト「アシュレイ・マディソン」の個人情報が盗まれ、ネット上で公開されたことを受けて自殺した。
いずれもダークウェブ上の出来事である。
現在、インターネットの世界は3つに分かれている。
1世界中の誰もがアクセスできる自由な空間(サーフェイウェブ)、2限られた一部の人だけが触れることのできる空間(ディープウェブ)、そして3サイバー犯罪者たちが跋扈する闇の空間(ダークウェブ)とに。
「サーフェイウェブ」は、ヤフーニュース、グーグル、フェイスブック、個人のブログといった、検索エンジンで捕捉可能な一般的なウェブサイト群だが、インターネット上には、検索エンジンではアクセスできないウェブコンテンツの方が遥かに多い。
それらはインターネットの深層という意味から「ディープウェブ」と呼ばれる。
そしてさらにその奥底に存在するのが「ダークウェブ」だ。
現在、この知られざる空間が「サイバー犯罪と闇市場」の中心的舞台となっている。
ダークウェブは、Tor(トーア)など専用の通信技術なしにはアクセスできない。
これらの通信ネットワークは、暗号技術に優れ、匿名性が高く、外部からの侵入に強い。
当初は迫害を受けている政治活動家やジャーナリストが利用していたが、その匿名性の高さから犯罪者が群がるようになった。
彼らがダークウェブに違法なものを持ち込んで、わずか数年の間にサイバー犯罪の一大市場が形成されたのである。
麻薬、偽造パスポート、偽札、盗難品、違法ポルノ、銃器、サイバー攻撃請負、殺人請負……違法なものが何でも揃う、まさに「犯罪のデパート」だ。
われわれの個人情報や医療情報もこのダークウェブで取引されている。
そしてダークウェブに欠かせないのが、あの「ビットコイン」だ。
ビットコインのような決済システムが存在したからこそ、ダークウェブは急速に拡大できたのである。
逆に言えば、ダークウェブの闇市場がなければ、ビットコインもここまで普及しなかったかもしれない。
捜査当局も容易にアクセスできないダークウェブは、現時点で日本語サイトはまだ少ないが、これから急速に拡大するはずだ。
今後、この知られざる空間が、われわれの日常生活を大きく揺さぶることになろう。
あなたの会社やあなたの家族やあなた自身がいつ狙われてもおかしくない。
いまサイバー空間で何が起きているのか? ネット社会において自分の安全をどう考えればよいのか? 現代人の誰もが読むべき警告の書。
2015年、米国で、「闇のアマゾン」と言われ、違法薬物を扱っていた「シルクロード」の運営者に終身刑が下されました。
また世界最大の不倫出会いサイトの個人情報がネット上で公開され、シカゴの二児の父が自殺しました。
いずれも「闇(ダーク)ウェブ」上の出来事です。
インターネット上には通常の検索エンジンではアクセスできないサイトが無数に存在し、なかでも捜査当局すらアクセスできないのがダークウェブで、日本語サイトもこれから急拡大するはずです。
最強のサイバーセキュリティ集団がその実態に迫ります。
麻薬、児童ポルノ、偽造パスポート、偽札、個人情報、サイバー攻撃、殺人請負、武器…「秘匿通信技術」と「ビットコイン」が生みだしたサイバー空間の深海にうごめく「無法地帯」の驚愕の実態!自分の家族や会社を守るための必読書。
2012年創業のサイバーセキュリティ企業。
ホワイトハッカーと呼ばれる人材を中心に、セキュリティ分野に精通したコンサルタントやリサーチャーらが集まった専門家集団。
企業や官公庁に対しセキュリティの支援を行っているほか、本書の下敷きとなったオンラインメディア「THE ZERO/ONE」や、国内外のホワイトハッカーと企業を結ぶバグ報奨金プラットフォーム「BugBounty.jp」の運営なども行っている。
また、世界最高水準のセキュリティ強度を実装したクラウド製品「SolidHub」の開発にも取り組んでいる。
http://sproutgroup.co.jp
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