高校になると勉強内容が急に難しくなり、ついていけなくなったと悩んでいる高校生は多いに違いない。
だが、勉強方法を変えることでそんな悩みは解消できると説いているのが本書。
高校生の年頃は脳の性質の転換期に相当し、記憶のパターンや種類が変化して、丸暗記よりも論理だった記憶能力が発達する。
だから、それに合った勉強法があるというのだ。
<p> 本書では、気鋭の脳科学研究者が、科学的根拠に基づいて脳のルールや記憶のメカニズムを分かりやすく説き、「記憶力を鍛える方法」を伝授する。
そもそも脳は、物事を忘れるようにできており、記憶させるには脳をだますしかない。
それは繰り返し覚えること、つまり「復習」が必要となるが、復習の仕方にも効果的な方法とタイミングがある。
また、睡眠は記憶の定着に大いに寄与している。
だから、徹夜の勉強は非効率というわけだ。
さらに、記憶には「経験記憶」「知識記憶」「方法記憶」があり、知識記憶を高度な経験記憶としていくことや知識記憶を方法記憶に結びつけていくことが記憶する上でのポイントだとし、そのための勉強方法を解説する。
<p> 『高校生の勉強法』という書名から一般の人は手に取りづらいので、その点で損をしているが、脳と記憶のメカニズムを知る上では一般の人にもおすすめの好著である。
とくに中学、高校の子どもがおり、勉強に悩んでいるようであれば、子どもと一緒に読んで効率的な勉強法や記憶について考えてみてはいかがか。
(清水英孝)
高校の授業についていけなくなる理由/記憶の正体を見る/脳のうまいダマし方/海馬とLTP/ファジーな脳/天才を作る記憶のしくみ/おわりに/脳心理学コラム/体験談/何でも聞いちゃえ
本書ではこれまで経験則に基づいて語られてきた様々な勉強法について、脳科学の裏づけをもってその真偽を厳然と判定していく。
そのために、まず、一般的な記憶の正体を明らかにし、記憶のメカニズムを説明する。
そのあとで、高校生のみなさんにとって、中学生までとはまったく異なる「記憶力を鍛える方法」についてアドバイスをする。
様々な勉強法について、脳科学の裏づけをもってその真偽を判定。
そのために重要な、記憶の正体も明らかにし記憶のメカニズムを説明する。
高校生に「記憶力を鍛える方法」をアドバイス。
池谷/裕二
1970年静岡県に生まれる。
静岡県立藤枝東高校を卒業し、東京大学理科1類に現役合格。
入学後、「脳に対する薬の作用」に強く興味をひかれ、同大学薬学部、薬学系大学院に進学し、脳の研究に取り組む。
98年「海馬(脳)」の研究によって薬学博士号を取得後、東京大学薬学部助手。
薬剤師、日本薬理学会学術評議委員、アメリカ神経科学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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