この書籍の内容

内容紹介

◆「世界ふしぎ発見! 」(2017/1/21)で話題沸騰!◆

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私たちはいつ言語を獲得し、文字を使い始めたのか?

4万年前の氷河期に残された壁画の数々。

そこには牛や馬の絵とともに不思議な記号が残されていた。

ヨーロッパ全体368箇所の洞窟に残された記号を世界で初めてデータベース化。

すると記号はわずか32個に収斂された。

2400キロも離れた2つの洞窟に残された記号が一致するのはなぜか?

あるいは急峻なピレネー山脈を挟んで、一致した特異な屋舎記号。

自ら52箇所の洞窟に潜って記号を採取した

カナダ人女性科学者がその謎に挑む!

【目次】

■はじめに 太古の人類が残した記号

氷河期に残された人類の壁画の数々。

そこには牛や馬などの絵とともに不思議

な記号があるのをご存じだろうか? ヨーロッパ全体三六八カ所の洞窟に残さ

れた記号を私は初めてデータベース化した。

すると三二個の記号に収斂された

■第一章 何のために印をつけたのか?

膝の高さもない、ぬかるんだ穴へ。

誰も寄り付かないスペインの洞窟で見つけ

たのはたった二つの赤い点。

だが、それは太古の人々の確かなる痕跡だ。

四カ

国、五二の遺跡を這いずり回り、幾何学記号の謎を解く手がかりを探し出す

■第二章 人類のはるか以前に道具を使った者たち

ケニアで発見された世界最古の石器は三三〇万年前のもの。

ジョージアでは一

五〇万年前の手斧が見つかった。

現生人類が出現する二〇万年前よりずっと昔

に旧人類たちは道具を作り始めていた。

道具の使用は意識の誕生と重なる

■第三章 死者をいたむ気持ちの芽生え

死者を弔い、我が身を飾る、人間が人間たる精神的な営みはいつ始まったのか?

三万五〇〇〇年前に精神性を獲得した、というこれまでの考えはデータベース

の構築によって覆された。

一〇万年前の遺跡で見つかった副葬品と火打ち石

■第四章 言葉はいつ生まれたのか?

南アの遺跡で見つかったダチョウの卵殻には、格子のような幾何学模様が刻ま

れている。

たった5つのパターンが繰り返し現れる、その意味は所有を表すの

ではないか。

そうした慣行をもつ種族はすでに言語を獲得しているはずだ

■第五章 音楽の始まり

アフリカを出て氷河期のヨーロッパに到達した人類。

彼らは寒冷な生活様式に

素早く適応する。

やがて最古の定住集落が形成され、余暇を楽しむ時間も生ま

れた。

欧州中の洞窟遺跡で、骨や象牙のフルートが見つかっている

■第六章 半人半獣像とヴィーナス像

氷河期の芸術家は動物と人間の半人半獣像を数多く残した。

また人間を象った

〝ヴィーナス像〟も盛んに出土している。

その目的を解釈することには限界が

あるが、彼らは信仰や起源神話に突き動かされていたのかもしれない

■第七章 農耕以前に布を織っていた

三万五〇〇〇前に生まれた最初の村。

マンモスの骨を使った家に住む彼らは布

を織り、かごをつくっていた。

発掘された土器についた指紋以外の模様は、最

古の布地やかご細工に使われていた模様だった。

農耕を始めるはるか前の話だ

■第八章 洞窟壁画をいかに描いたか?

スペインのラ・パシエガ遺跡には二万七〇〇〇年前に赤い顔料の調合に用いら

れた砥石が残されている。

過去の芸術家はいかに壁画を描いたのか。

彩色と線

刻の技術を紐解くと、現代人に匹敵する知識とスキルの高さが浮き彫りになる

■第九章 欧州大陸に到達以前から描いていた

半減期を利用した年代測定によって壁画の年代が、さらに古く書き換えられて

いる。

このことは人類がヨーロッパに到達したその瞬間から壁画をすでに描い

ていたことを意味する。

いずれアフリカにおける洞窟壁画も発見されるだろう

■第十章 唯一の人物画

氷河期の芸術家にとって、動物は何より重要なモチーフだった。

地域と年代に

関係なく、躍動感に溢れたウマやバイソンたちが描かれ続ける。

反対に人物画

は少なく、写実性も薄かった。

ただしシチリアのアッダウラ洞窟だけは例外だ

■第十一章 遠く離れた洞窟に残される共通の記号

シチリアとスペインの洞窟では同じ幾何学記号を使っていた。

あるいは非常に

特異な屋舎記号もピレネー山脈が隔てる二つの地域、今のフランスとスペイン

で使われている。

羽状の記号は、今のフランス、スペインの多くの洞窟にある

■第十二章 それは文字なのか?

甲骨文字、楔形文字など文字の成立は約六〇〇〇年前と考えられている。

では

それ以前の例えばラ・パシエガ遺跡に描かれた複雑な抽象記号は文字だったの

か? 私は視覚の世界を抽象的な記号に置き換える文字の始まりだと考える

■第十三章 一万六千年前の女性の首飾りに残された記号群

フランスのドルドーニュ地方で副葬品として見つかったシカの歯の首飾り。

には幾何学記号の組み合わせが刻まれており、周辺の洞窟の記号パターンに一

致する。

図形は記数法もしくは物語を記憶する手段に使われたのかもしれない

■第十四章 壁画は野外にも残されていた

祖先にとって洞窟だけが芸術の場所だったのか。

ポルトガルのコア渓谷には野

外の岩壁画が今も残る。

そこに刻まれた曲折模様は目の前の川にそっくりだ。

幾何学記号は身近な世界のものごとを描いていたものも多いのかもしれない

■第十五章 最古の地図か?

点や羽状記号など、多くの洞窟に見られる記号の解釈について、星座、記数法

など様々な説が提起された。

スペイン北東部の洞窟で見つかった一キログラム

の石に刻まれた一万三五〇〇万年前の模様は、洞窟周辺の地図のようだった

■第十六章 トランス状態で見える図形なのか?

神経心理学の研究からトランス状態にある人は一定の抽象図形が見えることが

判明している。

渦巻き、ジグザグ、格子などは、儀式の際に人間が見る図形だ

ったのか? 構築したデータベースによってこの仮説を検証してみる

■おわりに データベースを世界の遺跡に広げる

私が作ったデータベースは氷河期のヨーロッパの洞窟の記号が中心だ。

が、こ

のデータベースを今後、中国やオーストラリアなどの洞窟に広げていけば何が

わかるだろう? 具象から抽象へ、その記号の違いから新たな発見もあるか?

内容(「BOOK」データベースより)

私たちはいつ言語を獲得し、文字を使い始めたのか?4万年前の氷河期に残された壁画の数々。

そこには牛や馬の絵とともに不思議な記号が残されていた。

ヨーロッパ全体368箇所の洞窟に残された記号を世界で初めてデータベース化。

すると記号はわずか32個に収斂された。

2400キロも離れた二つの洞窟に残された記号が一致するのはなぜか?あるいは急峻なピレネー山脈を挟んで、一致した特異な屋舎記号。

自ら52箇所の洞窟に潜って記号を採取したカナダ人女性科学者がその謎に挑む。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ボン・ペッツィンガー,ジェネビーブ

古人類学者。

カナダ・ビクトリア大学人類学博士課程在学中の研究者。

これまで、顧みられていなかった氷河期の洞窟に残された記号に注目し、カメラマンの夫とともにもぐって採取。

欧州の368カ所の洞窟を調べ上げ、5000以上の記号を収集し、世界で初めて氷河期における幾何学記号のデータベースを作りあげた。

ナショナル・ジオグラフィックの『2016年・新世代の探求者』(Emerging Explorer)に選出。

「ナショナル・ジオグラフィック」誌や「ニュー・サイエンティスト」誌をはじめとするメディアからも注目を集めている

櫻井/祐子

翻訳家。

京都大学経済学部経済学科卒。

大手都市銀行在籍中の96年、オックスフォード大学で経営学の修士号を取得。

98年よりフリーの翻訳者として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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