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「智の限界」「科学の終焉」などと言われることがある「不完全性定理」。

しかし、それは智の限界や終焉などではなく、「正しくても常に証明できるとは限らない」ということを、卓抜したアイディアでゲーデルが証明した定理です。

同じことを、イギリスの数学者チューリングは、彼が築いたコンピュータの数学的基礎の中で示しました。

ゲーデルとチューリングの証明の詳細は抽象的でたいへん高度ですが、定理の内容は、それほど神秘的なことを言っているわけではありません。

そこで本書では、「不完全性定理」の内容を正確に理解するとともに、証明のための驚くべき二人のアイディアを、できるだけやさしく紹介します。

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