スクラムやアジャイルをやってみて、道に迷ったように感じているあなたへ (この本は『The Scrum Field Guide: Practical Advice for Your First Year』の翻訳本です) 本書は、1年目にスクラムとアジャイルで『どんなことが起きるか』についての本です。
筆者が、1年目のアジャイルにまつわる物語を集め、難しいポイントと、それに対するソリューションをまとめています。
(以下、著者による「まえがき」より抜粋) スクラムやアジャイルを始めようと思っていたり、まさに始めたところだったり、1年くらいやってきて道に迷ったように感じているなら、本書はあなたのためにある。
僕は公式には、新たにプロジェクトを始めて6ヶ月から18ヶ月の12ヶ月の間にいる企業が対象だとしている。
本書は実践主義者のためにある。
あなたが理論や難解な議論に興味があるなら、他の本を選んだほうがいい―そうしたスクラムやアジャイルの素晴らしい本はたくさんある。
そうでなく、実践的なアドバイスや現実のデータ、僕が実際にマイクロソフトのプロジェクトに参加したり、他の会社でチームをコーチしたり、フォーチュン100企業でコンサルティングしたりしてきた経験に興味があるなら、本書をおすすめする。
アジャイルに向けた旅をする中で、旅程のどのあたりであろうと、いま経験しているのは普通のことだと優しく教えてもらえれば有り難いものだ。
いまの状況に対処するためのアイデアや、成功の鍵まで聞ければ、さらに助かる。
本書はそうしたすべてを提供しており、必要な章だけ読めばいいように構成している。
もちろん、パートを通して読んでも、全体を読んでもいい。
現実的な状況なのであなたにとっても理解しやすく、紹介しているソリューションはどんなチームでも使える。
ページをめくって物語を読んでほしい。
本書を頼れる仲間として、あなたはスクラムやエクストリームプログラミングのいいところも悪いところも一緒に経験することになるだろう。
本書はどの章からでも、どんな順番でも、いつでも読めるようになっている。
それぞれの章は物語か始まる。
物語はすべて僕が参加したりコーチしたチーム、企業、プロジェクトからとったものだ。
ご想像の通り、何の罪もない人びとのため、名前は変えている(罪がないとは言い切れない連中もいるけれど)。
物語を読んだら、次はモデルを紹介するが、こちらも同じくらい聞き覚えがあると思う。
紹介するモデルは僕が現場で、物語で現れたような問題を解決するのに使うものだ。
中には不快に感じたり、あなたの会社ではうまくいくと思えないものもあるだろう。
僕としては、アドバイスを無視したいという感情や、モデルを変えてしまう衝動とは何としても戦ってほしい。
少なくとも3回はそのままで試してみて、結果を見てほしい。
驚くような結果になるかもしれない。
各章の終わりには成功の鍵をまとめており、あなたが実現に成功するか失敗するか、その鍵となる要因を説明している。
本書は4つのパートに分かれている。
第1部「準備」ではスクラムを始めるに当たってのアドバイスと、成功に向けた準備について書いている。
スクラムの導入を検討しているか、始めたばかりならばここから読むのがいい。
第2部「現場の基本」では、アジャイルのやり方を始めるとチームや組織が出会うことになる初期の障害物を、乗り越える助けとなるいくつかの項目について議論している。
スクラムを実践していて、問題を抱えているなら、ここから始めるといい。
第3部「救急処置」は会社が抱える、より大きく深い問題に対応する方法をまとめている。
プロジェクトへ要員追加するやり方や、機能不全になったデイリースタンドアップの直し方などだ。
ここで紹介する状況は、あなたが最初の1年間のどこかのタイミングで遭遇するものになる。
このパートではトリアージと治療によって、あなたのチームを健康に戻す方法を紹介している。
最後のパート「上級サバイバルテクニック」で取り上げる事項は、人びとがタイミングに関係なくよく悩まされているものだ。
アジャイルやスクラムでのプロジェクトのコスト算出、契約の作り方、ドキュメントの書き方などだ。
あなたがまったく新たにスクラムを始めるところならば、末尾の付録で簡単に説明してる。
基礎知識がないのであれば、ここで用語を学ぶといい。
本書の前に、他の本でスクラムを勉強するのもいいだろう。
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